東北夢の桜街道

世界七大陸に羽ばたく、酵母の息づかいを感じる酒を目指して

明治維新の直前、1865年（慶応元年）創業の長い酒づくりの歴史のなかで、大きな転換を図ったのは、1975年（昭和50年）。先代が、試行錯誤の結果、有機農法の契約栽培米で、無添加の純米酒「自然郷」を生み出した。この頃起こった地酒ブームの先駆けとして、米の旨みをしっかりと感じる、本物の日本酒を求めていた人々の間に、吉報をもたらし、人気を博す。その後、甘口で濃醇な純米酒づくりの過程で、＜こんにちは料理酒＞が誕生し、プロはじめ料理愛好家たちの台所には欠かせない、無添加調味料となった。東日本大震災では大きな被害を受け、4年半の歳月をかけて、ひとつひとつ修復していった敷地内の建物がようやく完成し、あらたな蔵の歴史を刻み始めている。